個人面談

2003年7月24日
本日、タロウ二年生の個人面談に行ってまいりました。

担任の先生、鬼母の履歴をどっかからお聞き及びらしく、クラスの状況についてかなり「ぶっちゃけ」た感じにお話ししてくださいました。
とりあえずタロウ二年生に関しては「幼い」「4時間目になると腹が空いてへばり、頭が痛いなんて言う」「恐がりで痛がり」等々、トホホ状態へのご注意を色々いただきました。もう、その通りでございます、家でも思いっきりシメますから、学校でもどんどんシメてください先生!とお願いしました。

で、タロウ二年生の学年のことを色々。
「もう、ここまでスゴイのは、なかなか珍しいかも・・・」。

一般的に言われているが、年々こどもたちが幼くなっている。理性云々以前に、言葉が通じないようなのも出現している。ガマンができない、すぐにイヤになって投げ出す、状況を考えずに騒ぐ。幼児のようだ。
実体験が決定的に不足している。お金を使ったことがないせいか、1円玉10コが10円玉1コと同じ、という感覚がない。以前のこどもたちは、お金にたとえると大概のことは分かったが、今やそれが通用しない。
こういうことは、学校でどうにかできることではない。学校以前の問題。幼児教育は大事だと痛感する。こどもたちそれぞれが、どのような幼稚園時代をすごしたかを知ることが、いま小学校に求められているのだと思う。
こういう子どもに育てている若い親たちを教育したのは、自分たちのような世代の教員であることを思うと、責任を感じる。

タロウ二年生の学年は、このように言われている今のこどもたちの平均より更に幼く、1年生の時に騒いでいたのが効いているのか、学力・学ぶ能力ともに低い。
物差しの単元でこんなに苦労したのは教員になって初めてだ。
教室でいつも騒いでいる数人は、結局、勉強が分からないこどもたち。分からないからつまらなくて騒ぐ。さらに分からなくなる。そういう悪循環。
非常に低いハードルなのに、それがクリアできない。繰り上がりの概念が脊髄反射になっていない子どもも少なくない。たとえば
7+9=
15-6=
2年生の夏だというのに、これができない。しばらく考えて指を折ったりしないと答えが出せない。
この人たちにこれから「九九」を教えることを思うとメマイがする。校長は「ヘルパーとしてママたちに教室に来て貰ったらどうか」と言っている。
鬼母が「九九は、家で練習して来て学校で先生にみてもらう、というのが昔のパターンでしたよね」と言ったら「・・・それが通用しなくなってきてるんですよ。それが出来たら苦労しないんです」とのこと。

・・・つまり、やっぱり「家庭」なのだなあ。
なんか、先生のお話を聞いて、どーっと疲れてしまった。
先生がお気の毒でしょうがない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先生の「状況説明」をうかがって、さっきオットと話し合ったことなど。

先生のお話をオットに伝えたところ、「あと10年もしないうちに、そういうのが高校に来るんだなあ・・・・大丈夫かなあ、10年後、そんなの相手に体が持つかなあ・・・」。

で、いつもと同じような結論に至る。
「大人が、確信を持って子どもに迫る、というのを放棄しているのだなあ」

おかたづけ、お手伝い、宿題、勉強、身辺自立etc etc・・・
どれも子どもにとっては面倒くさくってやりたくないことばかり。
ヤツラは、好きなだけテレビを見たい、おもちゃで遊び続けたい、ゲームやりたい、夜更かししたい、親の言うことは聞きたくない、お菓子とジュースだけ食べたい、オモチャは際限なく欲しい。
子どもにとってはアタリマエの「欲望」を、大人がどれほどの力で「ダメ」と拒絶できるか。

所詮、教育というのは歴史的に作られてきた価値観の「おしつけ」です。
そういう覚悟なしで、子どもをしつけられるはずがない。
子どもにおしつけるからには、こちらも身を律しなくては子どもに迫れないわけで、ゲームをさせたくないのならば親もするべきではないし、テレビの時間を制限するのであれば、テレビを垂れ流しで見る暮らしに親もサヨナラするほかない。

「子どもに迫る」「許さない・甘やかさない」というのは、本当に手間暇がかかって、くたびれる。抑圧的に子どもに迫る一方で、一生懸命に可愛がってやれるのも親だからこそ。
最終的に一人で食べていけるように職業を見つけ、仲間を作り、人生のパートナーをゲットできるオトナに育てるのは、やっぱり親しかいないんだなあ・・・・
もはや社会も学校も、そういうことまでしてはくれません。親がそれぞれの家庭の中でがんばるしかないのだと思う。
今の社会が親に求める「自己責任」の重さ、私たち夫婦は、本当に怖いと感じています。

「子どもには無理と思える課題を設定しても、こどもたちって、最後には何とかそこまでよじ登ってくる。ここまで上っておいで、って言うことを恐れてはいけない」
今日の面談でうかがった先生の言葉の中でも、それが一番、心に残ったし同感できました。

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